不動産売却で知っておくべきインスペクションのメリットとデメリットや注意点
不動産を売却する際に受けるインスペクションという住宅診断が、最近注目を集めています。
外観を見るだけではわからない建物の劣化具合などを把握することができるので、売却した後に、買主側と揉めることを防ぐのにも役立つ制度です。
今回はそんなインスペクションのメリットやデメリットについて紹介していきます。
不動産売却におけるインスペクションのメリット・デメリットとは
インスペクションは不動産を売却する際におこなうことで、建物の劣化具合や、欠陥について把握することができます。
インスペクションを利用することで売却する前に住宅の欠陥をきちんと把握し、必要があれば事前に修繕して綺麗になった住宅を、相場より高く売却することもできます。
売却後に欠陥が発覚してトラブルに発生する可能性も下がりますので、安心して売却を進めることにつながります。
インスペクションをすることで瑕疵担保保険も付保されるので、物件に付加価値が与えられてより高く売却できます。
メリットがあるインスペクションですが、デメリットが全くないわけではありません。
インスペクションの説明義務は2018年から開始されたもので、基本的に媒介契約の際に不動産会社から説明や紹介を受けるようになっています。
インスペクションをおこなうためには5万円前後の費用がかかり、依頼してから報告がされるまで2週間ほど時間もかかります。
売却にかかる費用をとにかく抑えたい方や、時間をかけたくないという方は躊躇してしまう制度かもしれません。
不動産売却にあたってインスペクションを実施するなら知っておきたい注意点
既存住宅状況調査技術者講習を修了している建築士がインスペクションをおこないますが、彼らはインスペクターと呼ばれています。
インスペクターはまだ人数が少なく、安心して任せられるインスペクターを自分で探すのは難しいとも言われています。
インターネット上では誤った情報が氾濫している可能性があるため、瑕疵担保保険が付保できないインスペクションを利用してしまうと、費用は同じでも保険の利用が利かないというトラブルが起こる場合があります。
こうした背景からも、インスペクターは不動産会社から紹介してもらうようにしましょう。
また、インスペクションで調査の対象となるのは、建物にあるキズや欠陥のみです。
近隣の騒音や土壌汚染など、建物以外の瑕疵については別途対応が必要になることを把握しておきましょう。