不動産売却は代理人に委任することも可能?委任に必要なものや注意点とは
「不動産の売却をしたいけど、事情があって自分自身がその手続きを進めるのは難しい」という場合に検討したいのが、不動産売却を代理人に委任するという方法です。
こちらの記事では、不動産売却を代理人に委任するための条件や委任に必要となるものや注意点について解説します。
不動産売却を代理人に委任できるのはどんな条件下の取引?
不動産売却というのは大きな取引ですから、売主側・買主側ともに本人立ち会いのもとで売買契約を行うというのが大原則です。
しかし、やむを得ない事情で本人がどうしても売買契約の場に立ち会うことができないという場合は、代理人に委任することが認められています。
不動産売却を代理人に委任できる主な事例としては、以下のようなものが挙げられます。
●売却する不動産が遠方にある
●売主が多忙をきわめていて立ち会いの時間を捻出できない
●売主が病気やケガなどで契約に立ち会えない
●売却物件に複数の所有者がいる、いわゆる「共有持分」となっている不動産の売却で、所有者全員の立ち会いが困難である
●取引内容自体が非常に複雑で、売主側が契約手続きそのものに強い不安感を持っている
これらのケースに該当する場合は、不動産売却を代理人に委任することが可能です。
不動産売却を代理人に委任するには「代理権委任状」が必要!
不動産売却を代理人に委任する際には、「代理権委任状」が必要です。
この代理権委任状があってこそ、「委任された代理人は当該の不動産売買契約において代理権を持つことが証明される」という状態になります。
この代理権委任状作成のためには、売主と代理人それぞれの実印、印鑑証明書、住民票、そして代理人の本人確認書類などを用意しておく必要があります。
代理権委任状を作成する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
●委任状の冒頭文で不動産売却に関する委任であることを明記する
●売却物件の所在地や面積、建物の構造等および、物件所有者の住所氏名などを忘れず記載する
●売買価格や手付金の額をはじめとした売却条件を詳しく記載する
●委任状に取り決めのない事項は受任者(代理人)が委任者(売主)に協議するという趣旨の内容を記載する
●委任状の有効期限を記載する
●代理人に無制限に委任の権限を与えたくない場合は禁止事項を記載する
代理権委任状に関する注意点は、これらの「記載内容に関する注意点」だけではありません。
代理権委任状で指定された代理人は売主と同等の法的効力を持ちますので「代理人は必ず信頼のおける人を選ぶ」ということが何よりも大切です。
もちろん、信頼できる代理人を見つけたからといって、代理権委任状の内容をスカスカにして白紙委任同然にしてしまうようなことは絶対に禁物です。