長期譲渡所得とは?計算方法や控除を受けられる特例について解説

長期譲渡所得とは?計算方法や控除を受けられる特例について解説

この記事のハイライト
●所有期間が5年を超える不動産を売却して得た利益を長期譲渡所得という
●譲渡所得額に20.315%を掛けると長期譲渡所得にかかる税額がわかる
●特例や制度を利用するには期限内に確定申告を済ませる必要がある

不動産を売却して利益が出ると、その利益に対して税金が課されます。
税率は不動産の所有期間によって異なり、5年を超える場合は税負担を軽くすることが可能です。
今回は、長期譲渡所得の仕組みや計算方法、利用できる控除について解説します。
これから京都府京都市で、不動産を売却しようとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

不動産売却前に知っておきたい!長期譲渡所得とは

不動産売却前に知っておきたい!長期譲渡所得とは

不動産を売却して得た利益は「譲渡所得」として課税の対象になります。
この譲渡所得は所有していた期間によって「長期」と「短期」に分かれ、適用される税率が大きく異なります。
まずは譲渡所得の仕組みから確認しておきましょう。

譲渡所得とは

譲渡所得とは、不動産の売却によって得られた利益を指します。
この利益には所得税・住民税・復興特別所得税がかかり、まとめて「譲渡所得税」と呼ばれます。
会社員の場合、給与に関する税務処理は会社がおこなうため、普段は確定申告が不要です。
しかし譲渡所得は「分離課税」に区分されるため、給与所得とは別に自分で確定申告をする必要があります。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い

譲渡所得は、不動産の所有期間によって2つに分類されます。
5年を超えて所有した不動産の売却益は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。
ここで注意したいのは、所有期間を判断するのが売却した年の1月1日時点であることです。
たとえば2020年6月に購入した不動産を2025年12月に売却しても、1月1日時点で5年以下のため短期に分類されます。
長期譲渡所得に該当させるには、2026年1月1日以降の売却が必要です。
なお、相続で取得した場合は、被相続人が不動産を取得した日からの所有期間で計算します。

所得税の税率の違い

長期譲渡所得と短期譲渡所得では、税率に大きな差があります。

  • ●長期譲渡所得:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=20.315%
  • ●短期譲渡所得:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=39.63%

短期譲渡所得の税率が高く設定されている理由は、投機性が高い取引と判断されるためです。
つまり、短期での売却による利益には抑制的な意味合いを持たせ、短期間での転売や投機目的の取引を防ぐ狙いがあるのです。
税負担を軽くしたい場合は、できる限り所有期間が5年を超えてからの売却を検討すると良いでしょう。

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不動産売却前に押さえておきたい!長期譲渡所得の計算方法

不動産売却前に押さえておきたい!長期譲渡所得の計算方法

長期譲渡所得に該当するかどうかが分かったら、実際の税額を計算してみましょう。

①譲渡所得額を算出する

まず、不動産売却で得た利益(譲渡所得)を計算します。
計算式は以下のとおりです。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
取得費は不動産を取得した際にかかった費用、譲渡費用は不動産を売却する際にかかった費用を指します。
この時点で譲渡所得がゼロまたはマイナスになる場合、譲渡所得税はかかりません。
一方で結果がプラスになる場合は、利益が発生しているため譲渡所得税の課税対象となります。

②税率をかけて譲渡所得税を計算する

長期譲渡所得の場合、税率は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。
たとえば譲渡所得が1,000万円の場合「1,000万円×20.315%=203万1,500円」が譲渡所得税として課税されます。

③特例や控除を適用して最終納税額を確定する

譲渡所得税にはいくつかの特例制度があり、要件を満たせば税額を軽減することが可能です。
代表的な特例は以下の3つです。

  • ●軽減税率の特例
  • ●居住用財産の3,000万円特別控除
  • ●相続空き家の3,000万円特別控除

これらの特例を活用すれば、税額を大幅に減らせる場合があります。
たとえば譲渡所得が3,000万円でも、3,000万円特別控除が適用されれば、課税対象はゼロになります。
ただし、特例を受けるには条件があり、確定申告で申請しなければなりません。
申告をし忘れると控除を受けられないため、条件の確認や書類の準備などは早めにおこないましょう。
特例の細かな要件や概要については、次章で解説します。

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長期譲渡所得において適用できる控除や制度

長期譲渡所得において適用できる控除や制度

先述のとおり、譲渡所得税にはさまざまな特例があり、要件を満たすことで税率の軽減や控除を受けられます。
ここでは「軽減税率の特例」「3,000万円特別控除」「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円控除」について解説します。

軽減税率の特例

軽減税率の特例とは、所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合に適用できる税率優遇制度です。
通常の長期譲渡所得の税率は20.315%ですが、この特例を使うと譲渡所得のうち6,000万円以下の部分については14.21%に軽減されます。
対象となるのは自分の居住用として使っていた不動産で、10年を超えて所有していることが条件です。
住まなくなってから売却する場合でも、住まなくなった年の翌年から3年目の12月31日までに売却すれば特例の対象となります。

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除とは、居住用のマイホームを売却した際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。
この控除を利用すると課税対象となる金額を大幅に減らせるため、結果として譲渡所得税の負担が大きく軽減されます。
要件としては、売却する不動産が本人または家族の居住用であること、過去に同じ特例を利用していないことなどが挙げられます。
また、空き家にも適用できますが、その場合は住まなくなってから3年を経過する年の12月31日までに売却しなければなりません。

被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円控除

この特例は、相続で取得した被相続人の居住用家屋やその敷地を売却する場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。
対象となるのは、被相続人が居住していた家屋または敷地であり、相続開始日から3年以内に売却することが条件です。
さらに、昭和56年5月31日以前に建築された住宅であることも条件に含まれています。
これは耐震基準が改正される前の建物を対象にし、古い住宅の早期売却や適正な管理を促す目的があるためです。

特例や控除を利用するには確定申告が必要

ここまでご紹介した特例や控除を利用するには、確定申告が必要です。
不動産を売却して利益が出た場合、特例や控除を活用すれば税負担を軽くできますが、自動的に適用されるわけではありません。
軽減税率の特例や3,000万円特別控除、相続した空き家に関する特別控除などを適用するには、必ず確定申告をおこなう必要があります。
確定申告の時期は、原則として売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。
申告をしないと特例は利用できず、税額が高いままになってしまうため、申告の準備は早めにおこないましょう。

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まとめ

不動産を売却して利益が出ると「譲渡所得税」がかかります。
税率は所有期間で異なり、5年超は長期譲渡所得(20.315%)、5年以下は短期譲渡所得(39.63%)です。
譲渡所得税を抑える特例や制度もありますが、適用するには確定申告が必要なので、忘れないようにご注意ください。
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有限会社初田屋

京都市北区上賀茂の地において、昭和43年創業の初田塗装店を前身として永く営業している不動産売買の会社です。
創業時より携わってきた住宅建築・改装工事で培った経験を活かしお客様へより良いサービスを提供するため、平成17年1月より有限会社初田屋と法人化し、自社による不動産買取・新築分譲の販売を始め現在に至っております。

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