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なぜ空き家で火災が起こるのか?対策と所有者の責任について解説

なぜ空き家で火災が起こるのか?対策と所有者の責任について解説

この記事のハイライト
●第三者による放火やタバコのポイ捨てで空き家の火災が起こる
●空き家の火災を防ぐためには管理と防犯対策が必要
●管理がおこなわれていない空き家は放火でも重過失となり損害賠償責任を負わなければならない

誰も住んでおらず火の気がないはずの空き家でも、火災が起こることがあります。
周囲を巻き込む大きな火災になった事例もあるため、空き家で火災が起こる原因を知り、対策しておかなければなりません。
そこで今回は、空き家で火災が起きてしまう原因と所有者が実践できる対策、火災が発生した場合に所有者の責任はどうなるのかについて解説します。
京都府京都市で空き家を所有している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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空き家で火災が起こる原因

空き家で火災が起こる原因

誰も住んでいない空き家は、当然のことながら、家のなかで火を使うということは考えられません。
しかし、火の気がないはずの空き家でも、火災が起こった事例は少なくないのです。
そこで、なぜ空き家で火災が起こるのか、まずはその主な原因について解説します。
空き家の火災で考えられる原因は、以下の3つです。

  • 放火
  • タバコのポイ捨て
  • ガス漏れ

まずは、それぞれの原因について考えてみましょう。

火災の原因1:放火

空き家の火災の原因としてよくあるのは、放火です。
とくに、人通りの少ない立地や、塀などで囲われて外から見えにくいようなつくりの空き家は、放火犯が狙いやすいため危険です。
人が住んでいれば異変に気づきやすいですが、空き家の場合は気づくのが遅く、大きな火災になる可能性があります。

火災の原因2:タバコのポイ捨て

ポイ捨てされたタバコの火から火災が発生することも少なくありません。
放火の意識がなくても、通行人が火のついたタバコを敷地内に捨てたり、不法侵入者がタバコを消し忘れたりすることで、火災が起きてしまうのです。
とくに、新聞紙や雑誌など燃えやすいものを外に放置していたり、庭の雑草が生い茂っていたりすると、小さな火種でも大きな火災に発展する恐れがあるため危険です。

火災の原因3:ガス漏れや配線のトラブル

ガス漏れが火災の原因になることもあります。
たとえば、給湯設備が劣化してガス漏れが発生し、爆発して火災が起きたケースや、大きな地震で設備が故障したケースなどです。
また、ネズミが電線をかじってショートし、火花が飛んだ箇所から火災が発生した事例もあります。
このように、火の気がない空き家で実際に火災が起きています。
したがって、空き家の所有者は火災が起きないよう対策しておく必要があるのです。

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空き家の火災を防ぐための対策

空き家の火災を防ぐための対策

空き家を所有していると火災の恐れがあることを前章で解説しましたが、それらはどうすれば防げるのでしょうか。
そこで次に、空き家で起こる火災を防ぐための対策について解説します。
空き家の所有者ができる対策として、以下のようなことが挙げられます。

  • 定期的に管理をおこなう
  • センサーライトを設置する
  • 管理会社に依頼していることをアピールする
  • 近所の方に声をかけておく
  • 売却を検討する

それぞれの内容について、順番に見ていきましょう。

対策1:定期的に管理をおこなう

空き家の火災を防ぐ対策としてまず大切なのは、空き家を放置しないことです。
そもそも空き家の所有者には、管理義務というものがあります。
定期的に所有する空き家に訪れ、掃除や庭の手入れをおこなう必要があるのです。
まず、家のまわりに新聞紙や雑誌など、燃えやすいものを置かないようにしてください。
そして、ポストにダイレクトメールやチラシなどがたまっている場合は、処分しましょう。
また、乾燥した時期には、庭の雑草にタバコをポイ捨てされたりすると燃え広がる恐れがあるため、庭の手入れも必要です。
さらに、室内にホコリが溜まっていると、配線のトラブルが起きた際に火花が燃え移る可能性があります。
したがって、窓を開けて換気をおこない、室内に溜まったホコリを外に掃き出すことで、きれいな状態を保つようにしましょう。

対策2:センサーライトを設置する

人の熱と動きに反応するセンサーライトを設置するのも対策の1つです。
センサーライトは、人が空き家に近づくと自動的に反応し、周囲を明るく照らす防犯グッズです。
これには、乾電池タイプやコンセントにつなぐ電源タイプ、ソーラーパネルタイプなど種類があり、最近は手軽に設置できるものが販売されています。

対策3:管理会社に依頼していることをアピールする

空き家の玄関や門扉、塀など、外から目につきやすい場所に、管理会社の連絡先が書かれた看板を設置しておくのも有効です。
管理会社が頻繁にチェックに訪れているような空き家は、放火犯も近づきにくいでしょう。

対策4:近所の方に声をかけておく

何か異常が起きたときには、連絡をくれる方がいると安心です。
たとえば、見かけない人が空き家のまわりをうろうろしていたり、誰もいない空き家でセンサーライトが点灯したりすると、近所の方も異常に気づくかもしれません。
そういった時のために、近所の方に自分の連絡先を伝えて、何かあった際には連絡をくれるようお願いしておきましょう。
また、協力を得られるように、事前に近所の方と良好な関係を築いておきましょう。

対策5:売却を検討する

空き家を将来使用する予定がない場合や、定期的に管理に訪れるのが難しい場合は、空き家を処分すれば火災の心配はありません。
もしくは、解体して更地にするのも方法の1つです。
ただし、更地にすると固定資産税が高くなり、解体後に土地を所有し続けると負担が大きくなるため注意が必要です。

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空き家で火災が起こると所有者に責任はあるのか?

空き家で火災が起こると所有者に責任はあるのか?

空き家の火災を防ぐ対策をしっかりおこなっていても、火災が起きてしまう恐れはあります。
では、もし近隣の住宅などを巻き込むような火災が発生した場合、その責任はどうなるでしょうか。
そこで最後に、空き家で火災が起きた場合の責任について解説します。

失火は責任を問われない

民法709条では、空き家が原因で隣家や通行人などに被害を与えた場合は、所有者が責任を負わなければならないと定めています。
したがって、空き家のトラブルに対しては、所有者が損害賠償責任を負わなければならないのです。
しかし、火災については、「失火責任法」という法律で以下のように規定されています。
失火の場合は民法709条を適用しない
「失火」とは、過失により起きた火災を指します。
たとえば、ガスコンロの火を消し忘れて火災が発生した場合など、故意に起こした火災ではないケースです。
つまり、失火の場合は損害賠償が免除されるのです。
ただし、重大な過失があったと判断された場合は適用外となり、責任を問われます。

放置された空き家の火災は重過失

放火は、所有者ではなく第三者による火災であるため、所有者が賠償責任を問われることは本来ありません。
ただし、放置された空き家は例外となる可能性があります。
なぜなら、失火の場合は賠償責任の対象外としていますが、失火責任法には以下のようなことも記されているためです。
重過失がある場合を除く
管理を怠った空き家は、この「重過失」に該当します。
燃えやすいものを家の周りに放置したり、戸締まりをしていなかったりすると、「容易に放火できる状況をつくった」と判断され、失火責任法の対象外となる可能性があります。
その場合は、空き家の所有者が賠償責任を負わなければなりません。

まとめ

誰も住んでいない空き家では、第三者による放火やタバコのポイ捨て、ガス機器の劣化などが原因で火災が起こる場合があります。
空き家の火災を防ぐためには、適切な管理と防犯対策が必要です。
空き家の管理を怠ると、放火の場合でも所有者が賠償責任を問われるため、定期的に管理をおこなうか、不要な空き家であれば売却して処分することをおすすめします。
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